養蜂家が出来ること 農園開拓記録
2019.02.20
vol.2 仲間に感謝
皆さま、高橋養蜂のホームページをご覧いただきましてありがとうございます。
この「養蜂家が出来ること 農園開拓記録」のコーナーでは高橋養蜂が最も大切にする「ミツバチが快適に暮らせる環境づくり」をどのように進めているのか?そして、今、高橋養蜂のある伊豆下田の里山はどんな状況なのか?を紹介していきます。
年に数回、更新予定です。
是非、ご覧ください。
前回、枯れ木が片付いていよいよ獣害対策の柵を設置しようというところまで紹介しました。
でも、ここまでの作業についてあっさりと書きましたが実はかなり大変でした。
片付けても片づけても減らない枯れ木。
獣害対策の柵のルートには木が植わっていたり大きな石が転がっていたり。
これはとても自分たちの手には負えない…、そんな時には頼りになる協力者たちに助けてもらうこともあります。
中央の方は下田で70年つづくというバー・ハーバーライトを引き継ぎ営まれている鈴木勝士さん。
当園で育てているブルーベリーをカクテルにご利用いただいているご縁があり、お付き合いさせていただいております。
土木の仕事の経験がありチェーンソーからユンボまで使いこなすことができる頼もしい協力者です。
こちらは下田の隣町、南伊豆町で稲作と林業を営まれている南伊豆米店の中村大軌さん。
自分たちでは難しい斜面の樹木の伐採などをお願いしています。
この日は釜と自ら育てた米を持参して来てくれました。
伐採したこの地の木で炊いたご飯を頂くというのはなんとも贅沢な経験でした。
そして、この獣害対策の柵のつくり方は下田の隣、南伊豆町で野生動物の食肉処理を通して森を守る活動を行っている株式会社〈森守(もりもり)〉の黒田利貴男社長、直伝の方法です。
当初、一般的な電柵の材料で見積もりをとったところ、想像以上に高くなってしまいまいした。
そこで、いつも何かと相談に乗ってもらっている黒田社長に他に良い方法がないかを聞いたところ、違う材料で簡単にできる確実な方法を教えていただいたのです。
そんな柵の設置も自分たちだけでは到底できないものでした。
一周500m弱、山あり谷あり。
1メートルのワイヤーメッシュの上に電線を4段。2メートル弱の高さの柵。
(これくらいの高さがないと鹿は飛び越えてしまうといいます。恐ろしい運動能力…。)
当初、こんな斜面に柵なんてつくれるのだろうか?と不安でしたが…やればできるものなのですね。
また、黒田社長、自ら電柵の設置作業を手伝っていただきました。(感謝してもしきれません。本当にありがとうございました!)
黒田社長は山について、獣たちの行動についてのひとつひとつの言葉が深く、とても勉強になります。
農園に来ていただく度にいろいろと教えてくださいます。
通信技術を用いて獣害対策をおこなっている株式会社フォレストシーの皆様にもご協力いただきました。
これ我々だけでやっていたら何日かかっていたのだろう?というような作業をてきぱきとこなしていただき、「あっ」という間に完了!感謝です!
このように多くの協力者の力を借りて’18年5月に獣害対策の柵が完成しました。
手伝っていただいた方々には感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。
そして、柵が完成して獣害を防げたのか?といいますと…。
当初は何か所か入られやすいところがあり、農園に行くと柵の中を鹿が走り回っていた、なんてこともあり愕然としました。
でもその対策をして、しばらくすると、入られることはなくなってきました。
その後に柵の内側と外側では驚くほどに違いが出てきたのです。
写真の左側が柵の内側です。
こんなに違いが出るとは思っていませんでした。
柵の外側では相変わらず鹿が出没し、草や木の新芽を食べられています。
全くと言っていいくらいに草が生えていきません。
でも、鹿が入って来ることのなくなった柵の内側は徐々に草木が元気を取り戻してきたのです。
その後、ご覧のように柵の内側(手前側)は草に花が咲きはじめました。
そして、その花の蜜を集めにミツバチが飛び回っています!!
夢に描いていた「ミツバチの楽園」へ、一歩前進です。
本当に嬉しかったです。
このように獣害対策が完了しました。
いよいよ、蜜源となるレモンやひまわりを植えます。
次回、その様子をお伝えいたします。
長文、ご覧いただきましてありがとうございました。