養蜂家が出来ること 農園開拓記録

2019.11.19

vol.4 人とミツバチとヤギと地域のために、耕作放棄地再生ヤギ牧場計画

 皆さま、高橋養蜂のホームページをご覧いただきましてありがとうございます。

この「養蜂家が出来ること 農園開拓記録」のコーナーでは高橋養蜂が最も大切にする「ミツバチが快適に暮らせる環境づくり」をどのように進めているのか?そして、今、高橋養蜂のある伊豆下田の里山はどんな状況なのか?を紹介していきます。
年に数回、更新予定です。
是非、ご覧ください。

ヤギを迎え入れる

前回は、草刈りが大変すぎるので草を食べてくれるヤギを飼ったらいいのでは?という何気ない会話からうまれたアイデアからうまれたヤギを迎え入れる動き、名付けて「ヤギ牧場計画」がはじまったことについてお話ししました。

では、実際にヤギを迎え入れる土地はどこがよいのか?をあらためて検討しました。
レモンやお茶の苗などの蜜源を植えた農園にヤギを放すと植えた蜜源も食べてしまうかも?という問題もあります。
そこで、別に管理させていただいていた農地があったのでそこをヤギ牧場の候補地としました。

農地候補

候補の農地は山のふもと、もともと田んぼだった平らな農地です。

この農地でこんな「循環する農園」を考えています。

まずは全体を獣害対策の柵で囲い、ニ分割して、一方のヤギエリアにはヤギを放牧し草を食べてもらう。
そこに糞を落としてもらうことで土地は肥沃になる。
他方の作物エリアではミツバチの手を借りて蜜源植物や作物を育てる。
そして、作物の収穫が終わったタイミングでヤギエリアと作物エリアを交換する。
今度は、ヤギが肥沃にしてくれた土地に蜜源植物や作物を育て、今まで作物を育てていたエリアは、再びヤギに土地を肥沃にしてもらいます。
またタイミングを見計らいヤギエリアと作物エリアを交換する。
そして、時にはヤギを山の中の農園にも連れて行き食事を兼ねて草を食べてもらう。

こんな計画です。

そして、その農地周辺には耕作放棄地が広がっていました。
せっかくのヤギ牧場、周辺が耕作放棄地なのはいただけない、そんな思いもあり周辺の耕作放棄されている農地をお借りすることができないか?…近隣の方にあたってみました。
結果、想定以上に周囲の方たちの協力を得ることができて、トータル2000坪ほどの広大な農地をお借りすることができました。

ヤギを飼う農地
近隣でヤギを飼育している方がヤギがどんな感じで草をたべるか?試しに連れていきましょうか?と連絡をくれて、お試し放牧をしました。
地域の方々の協力が本当にありがたいです。

実は、ヤギを飼う時期の目標は当初この初夏としていたのですが、農地を広くお借りできたことと、借りはじめて実際に作業をはじめると想定以上に手間がかかり、今は先延ばしにしている状況です。

荒れていた農地

農機具や小屋が放置されたまま耕作放棄地となっていた農地もあり、まずは片付けからはじめました。
これだけでも想定以上に手間がかかってしまったのですが、もう一つ大きな問題がでてきました。
二、三日雨が降り続いた後、農園で作業をしようと足を運ぶと…。
奥の山に近いあたりの様子がおかしいのです。
カエルの卵がたくさんの大きな水たまりが…。

なくならない水たまり

この水たまり、数日たってもほとんど小さくなりません。
とても水はけの悪い農地だったのです。
もともとはちゃんと水路があって水を流していたようなのですが、水路が埋まっていたようです。

これでは梅雨時や台風の時期にヤギ牧場や畑が水没してしまう。
池を前にしばし呆然としてしまいました。
しかし呆然としていても何も解決しません。

気を取り直して重機を借りて、掘って、川に繋がる水路を復活させました。

重機で開拓

耕作放棄地を再生させると獣の棲み処を減らすことになり、近隣の農地の獣害被害にも影響があるそうです。

水路が繋がるとしっかり水が流れてくれて水はけは改善されました。
大雨の時もしっかり排水されていて一安心。
これならヤギ牧場が水没することはなさそうです。

復活させた水路

これから、掘ったままの水路の一部は集水パイプをいれて埋め戻して、鹿や猪が入ってこないようにする柵で農地を囲み、すっかり固くなってしまっている土地を耕運して..、ヤギ小屋をつくって、あれしてこれして…とまだまだヤギを迎え入れるまでにやることが山盛りです。

ゴミを集めて捨てたり、石を運んだり、土を掘ったり。
ひとつひとつの作業は地味で、辛いことも多いのですが、ミツバチとヤギ、そしてヒトと地域がお互いに良い関係でい続けることが出来るための「養蜂場」、そして「ヤギ牧場」はどんなところだろうか?と考えながら作業をするのはとても楽しい、そう思っています。

こつこつこつこつ。

焦らずにしっかり準備してヤギを迎え入れたいです。

夢のヤギ牧場に向けて

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