養蜂家が出来ること 農園開拓記録
2020.09.18
vol.8 「ミミズのいる土を目指して…」
皆さま、高橋養蜂のホームページをご覧いただきましてありがとうございます。
この「養蜂家が出来ること 農園開拓記録」のコーナーでは高橋養蜂が最も大切にする「ミツバチが快適に暮らせる環境づくり」をどのように進めているのか?そして、今、高橋養蜂のある伊豆下田の里山はどんな状況なのか?を紹介していきます。
是非、ご覧ください。
前回、開拓中のレモン農園のグランドカバーとしてクローバーを植えることを決める経緯について書きました。
クローバーは蜜源にもなる、他の草を押えて農園管理もしやすくなる、ということで一石二鳥ではないか?と考えていたのです。
でも、実はもう一つ大きなメリットがありました。
クローバーはミミズを呼ぶ植物、といわれています。
つまり、クローバーの根付いた土にはミミズが増えるということ。
ミミズが増えて何かよいことあるの?
と思われる方もいるかもしれません。
ミミズは土の表層にある有機物や有機物を含んだ土を食べ、栄養に富んだフンを出しながら地中を移動し続けます。
地中が耕され、通気性や排水性が高まるとともに肥沃(ひよく)な土壌がつくられていくといわれています。
開拓中の農園の土はかなり水はけの悪い粘土質の土で、どうしたものか?と頭を悩ませていました。
ということで、クローバーを植えることで...、
他の草を抑えて農園管理をしやすくなる。
ミミズを増やし、土壌を豊かにする。
水はけも改善される。
土がよくなればレモンも元気になる。
レモンとクローバーがたくさん花をさかせればミツバチもよろこぶ!
クロバーやレモンといった蜜源が元気で、ミツバチも元気になれば、質の良いはちみつがたくさん採れる!(養蜂場なのでこれが大切!!)
農園にはところどころにクローバーが自生しています。
こうした「循環」がうまく回りだすことがここでの農園管理の目標と考えています。
ナンキンハゼが大繁殖してしまった時には、実は、かなり凹んでいました。
もう、この農園を維持していけなくなってしまうのではないか?
と。
でも、こうして思い切って重機をいれて対処したことで新たな道が開けたわけです。
ピンチをチャンスに!とはよく聞きますが、まさにそんな状況になってきました。
方針が決まればあとはひたすら作業です!
まずは、レモンを植える段取を…。
昨年、2019年年末ごろ、レモンを植える場所を決めました。
さあ、その場所に穴を掘ってレモンを植える前に土を作っておこう!
とすると…、
もともと粘土質だった土のところは、ナンキンハゼ退治の際に重機がなんども往復していたので土がカチカチ。
これはしっかり土をつくってからレモンを植えてあげないと育ってくれない、そう感じました。
手間がかかってもしっかり土づくりをしていくしかなさそうです。
気を取り直して、レモンを植える場所に穴を掘っていきます。
かなり、広く開拓したので数えると200本ほどのレモンを植えれる計算。
気が遠くなりそうになりましたが、ひとうひとつ掘りました。
掘っていて感じたことがあります。
ほどよく柔らかくて、水はけもよい。
そんな土にはすでにミミズがたくさんいます。
でも、粘土質でカチカチ、水はけが悪そうな土にはミミズがいないのです。
ミミズの働きを実感として感じます。
ちょうど季節は冬。
あまり養蜂の作業のない時期だったのじっくり取り組むことが出来ました。
掘っていくと大きめの石がごろごろ。
これを取り除き、腐葉土と牛糞と石を取り除いた土を混ぜて、レモン植え付けの準備完了です。
いやいや、200箇所はなかなか終わりが見えない...。
でも、ここにレモンの花が咲き、グランドカバーで植えたクローバーも咲き、その花々にミツバチたちがやってくる姿を思い描きながら、コツコツと作業を進めます。
ちょうど農園と農園の段差をつなぐスロープをつくろうと思っていたので、取り除いた石も再利用できました。
段差があり作業しずらかったのですが、出てきた石でスロープをつくって...、この通り!一石二鳥!!
そして、200個の穴掘り、土づくりが終わるころには随分、ムキムキになった気がします...。
そして、いよいよレモンの苗を植えます。
ここまで来るのに長かった...。
と、随分と長くなってしまったのでレモンを植える話はまた次回にお伝えします。
長文、お付き合いいただきましてありがとうございました!