養蜂家が出来ること 農園開拓記録

2021.08.08

vol.16 レモン農園、クローバーのグランドカバーで蜜源計画! クローバーを植えて…どうなった?

ミツバチとクローバー

この「養蜂家が出来ること 農園開拓記録」のコーナーでは高橋養蜂が最も大切にする「ミツバチが快適に暮らせる環境づくり」をどのように進めているのか?そして、今、高橋養蜂のある伊豆下田の里山はどんな状況なのか?を紹介していきます。

前回までの数回は、高橋養蜂にやって来た「ヤギのメンメ」の話をしていました。
今回は、メンメの話から一度離れて、山の中のレモン農園のグランドカバープランツとして植えたクローバーの話を書こうと思います。(vol.7のその後の話です)

しばらく、レモン農園の話を書いていなかったので、少し話を戻します。

高橋養蜂では、花が蜜をたくさん出し蜜源にもなる、作物は蜂蜜との相性もよいということでレモンの木を植えて育てています。
レモン農園があるのは、4年ほど前に地元の方から借り受けた農地です。
借りはじめた頃は、しばらく手をかけられない状況が続いていたこともあり植えてあった甘夏の木が鹿に樹皮を食べられてしまって枯れていて、下草も鹿に食べつくされ、荒れ果てた状況でした。

高橋養蜂のレモン

ここをミツバチが飛び回る農園にしたいと、開拓をはじめたのです。
まず、ぐるりと獣害対策の柵で囲いました。
一周400メートル程、山あり谷ありの範囲に囲ったので、なかなか大変な作業でしたが、大くの方の助けを得てなんとか柵は完成

高橋養蜂のレモン畑

そして、枯れた甘夏の木を片付けて、レモンを植えました。

高橋養蜂のレモン畑

当初は何度か、鹿や猪が柵を突破することもありましたが、改良を加えていくと、ほとんど入ることはなくなってきました。
すると、レモンが順調に育ってくれ、喜ばしい!…のですが、鹿うろうろしている柵の外と違いその他の草木の勢いが凄いことに…。
植えたばかりのレモンがまだ小さい頃は、気付くとレモンが草にうもれてしまうほどでした。
当初はその度に草刈りをしていたのですが、養蜂作業の合間に少しやるくらいではとても追いつきそうにありません…。

高橋養蜂のレモン畑

そこで、「グランドカバープランツ」として、生えてくる草を抑える効果に期待してクローバーを植えました。
クローバーはグランドカバーとして優れているだけではなく、長い期間花を咲かせ、蜜源としてもとても優れています。
これがうまくいったらば、農園管理に手がかからなくなるのはもちろんの事、安心な蜜源を確保できるという意味でも大きいです。
農園管理に手がかからなくなる…というと手抜きのようですが、持続可能な養蜂場をつくるためには、自然の仕組みをうまく活かして農園を率的に管理することもとても大切なコトと考えています。
さて、クローバーのグランドカバーは果たしてうまくいくのだろうか?
昨年、2020年に種をまいたクローバーの様子を期待と不安か半々の気持ちで見守っていました。

高橋養蜂のレモン畑
レモンの苗木のまわりを耕して、クローバーの種をまきました。

クローバーの発芽
発芽!

そんなクローバー、この春から一斉に花を咲かせてくれたのです。

レモン畑のクローバー

ミツバチたちも大喜びでレモン園を飛び回っていました。

ミツバチ

さらには、狙ったとおりその他の草をしっかり抑制してくれて、草刈りの手間は驚くほどになくなりました。
もちろん完全にその他の草を抑制できたわけではないのですが、昨年の草刈りの手間からすると5%にも満たないのでは?というほどです。

高橋養蜂のレモン畑
しっかりと他の草が育つのを抑えてくれているのがわかるかと思います。斜面には別のグランドカバープランツを植える予定です。

次は、今は草の管理が大変な別の場所にあるブルーベリー園もグランドカバーとしてクローバーを植えようと計画しています。

高橋養蜂のブルー
ブルーベリー園の様子。夏は少し間を置くと、この状態です。

夏の農園の管理は、本当に大変です。
草の勢いは凄い、でも、暑いので作業も無理しては出来ません。
そんな中、このように自然の力をうまく利用して持続可能な養蜂場農園をつくっていきたいです。

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