養蜂家が出来ること 農園開拓記録
2021.07.23
vol.15 子ヤギのメンメが高橋養蜂に来てからのこと。 メンメが幸せに暮らせる環境とは?
皆さま、高橋養蜂のホームページをご覧いただきましてありがとうございます。
この「養蜂家が出来ること 農園開拓記録」のコーナーでは高橋養蜂が最も大切にする「ミツバチが快適に暮らせる環境づくり」をどのように進めているのか?そして、今、高橋養蜂のある伊豆下田の里山はどんな状況なのか?を紹介していきます。
前回、「ヤギのメンメ」の小屋が完成し、メンメがくるところまでお伝えしました。
今回は、メンメがやって来てからどんな様子だったのか?をお伝えします。
ヤギ好きの方々から、お母さんヤギから引き離された子ヤギは寂しさのあまり、来た日はずっと泣いていると聞いていました。
メンメが高橋養蜂にやってきたのは、生後4ヶ月の頃。
まだまだあどけなさの残る子ヤギでした。
来た日、聞いていた話通りになるのか?少なからず不安でしたがメンメの様子は随分と違いました。
当日小屋に放すと窓から飛び出し、日が暮れるまで草を食べていました。
食欲旺盛!
元気で肝が据わった女の子のようです。
とりあえずはホっとしました。
でも、困ったことが…。
人を警戒して近づくことが出来ず、更には夜も雨の日も小屋に入ってくれないのです。
強い雨の日も小屋に入ってくれなく、奥の桜の木の根元で寝ていました。
いくら桜の木の根元とはいっても強い雨では濡れてしまう。
風邪でも引いてしまったら大変…なんとかパラソルを設置し、とりあえず雨をしのげるようにしました。
なんとかパラソルの下、雨に濡れないところで寝てくれて安心したものの、その後も人を警戒して、5メートルより近づくことが出来ない状況が続いていました。
1週間たってもそんな調子だったので、このまま人を警戒したままなのではないか?と不安に思い始めたほどです。
でも、その後、だんだんとその距離が詰まってきて…。
農園にやって来て10日目、やっと手からご飯を食べてくれました!
本当に嬉しかったです。
それからはだんだんと距離が縮まり、自分たちが近づくと喜ぶようになってくれて、小屋にもちゃんと入ってくれました。
だんだんと小屋に慣れてきて…
入った!!
小屋の中につくったご飯を置くための台を気に入り、そこで寝てしまっているのが想定外ではありますが、気に入ってくれたのなら良しですね。
このご飯台?を気に入ってくれて、ここで寝ています。
最近では、誰もいなくなると寂しさで泣いてしまうほどで、最初の警戒心がまるで嘘のように感じるほど打ち解けてくれました。
今では地域の方にもとてもかわいがってもらっていて、皆の人気者になっています。
お散歩途中のワンちゃんもメンメと仲良しになりました。
でも、考えてみたらいきなり親と離されて知らない場所に連れてこられたのだから警戒するのはあたり前ですね。
怖い思いをさせてしまった分、しっかりと信頼関係を築いて安心して暮らせるようにしてあげたいです。
農園スタッフの娘さんも遊びにきてくれました。メンメは子ども達の人気者!
そんなメンメの主食ははえてくる草です。
メンメが暮らすのは、作業小屋の前のお客さまが来た時に皆でお話をしたり養蜂作業の説明をする場所でした。
こちらはメンメが来る前に、地域の中学生が養蜂について知りたいということで案内した時の様子。
こうしたことをキッカケに自然の営みに興味を抱いてくれたら嬉しいです。
そんな場所なので草ボーボー状態にするわけにもいかないのですが、なかなか日々の作業でそこまで手が回らりません。
お客さまが来られる前に急いで草刈りをするようなこともありました。
でも、今はメンメがはえてくれる草をきれいに食べてくれるので、常にキレイな状態をたもっています。
また、草を食べてコロコロ出てくる落とし物は、ブルーベリーや自家用につくっている野菜の肥料にもしています。(おかげでか今年の作物はとても元気です)
メンメが来てくれたことで、目指していた持続可能な養蜂場の実現に一歩近づいたようでとても嬉しくなりました。
でも、メンメをこうして迎え入れたのは除草や肥料づくりのためだけではありません。
養蜂をやっていてつくづく感じることが、この世界は人間だけのものではなくて(あたり前ですね)、様々な生き物が支え合って成り立っているということです。
ついつい人間中心で考えてしまいますが、ミツバチたちの日々の営みを見ているとそのコトをすごく実感します。
なので、ミツバチたちももちろんですが、さまざまな生き物が幸せに暮らせる場所をつくっていきたい、と思うようになりました。
メンメにも快適に暮らせる環境をつくってあげて、そして、そこでたくさんの草をおいしく食べてもらって、幸せに暮らしてもらいたいです。
人懐っこいメンメは、ヒトが近づくと嬉しそうに寄ってきます。メンメが幸せに暮らせる環境をつくってあげたいです。
たまにブルーベリー園も散歩しています。試しに放してみたら…ブルーベリーの実をむしゃむしゃと食べてしまいました…。
ごめんね〜と言いながら繋いでの散歩です。機械では刈りにくい柵際の草をキレイに食べてくれました。